JASVブログ第267回

㈱バリューファーム・コンサルティングの大久保光晴です。

暖かくなり、体を動かしたくなるシーズンなってきましたが、皆さまは如何お過ごしでしょうか?

東京オリンピックが近づいてきた影響か、最近は車の運転中にランニングをしている方を良く見かけるような気がします。

今回は春における豚舎の環境コントールについて、考えてみたいと思います。

この時期、特にウィンドレス豚舎の離乳舎の換気でお悩みの方が多いのではないでしょうか?


既に養豚に関わり、ウィンドレス豚舎の管理を任されている方には釈迦に説法ですが、豚舎の環境コントールは重要な要素が多く、温度はもちろん、湿度や豚舎内の換気量も重要です。さらにアンモニアやCO2も大切ですし、豚舎内に空気を送るインレットや空気を撹拌するミキシングファンの吹き出し風速も計測し、把握しておきたいですね。

要素がたくさんある中で、日較差が大きく、空気が乾燥している春は、湿度に注目することをお勧めします。目標は50~70%です。


表1は、1983年ミッドウエストプランサービス、アイオワ州立大学他による発育ステージごとの寒冷時・温暖時・暑熱時における必要換気量、グラフ1は、気象庁のホームページで見られる、私が良く行く地域の気温データです。

皆さんも普段色々な指標やデータを使って、豚舎の環境コントールに注力されていると思いますが、春の日中急上昇した外気温に合わせてファンが強く回ったところ、外気温に対する換気量はそれほど間違っていないのに、なぜか豚が寒がった経験はありませんか?


その黒幕が湿度です(もちろん、入気風速が強いため豚に風が当たること、隙間風や床の素材による影響も考えなければいけませんが...)。湿度が低いので、同じ温度であっても体感温度が低いと言うわけです。

そして、春は四季の中で1日の最低気温と最高気温の差(日較差)が大きく、湿度も低いので、夜間の換気量も維持するために設定温度を下げていると、この現象が起きやすいのです。


このことから、鋭い管理者の方は、夜間の換気不足に注意して、日令の経過と共にファンの設定温度を下げつつ、日中急上昇した外気温には、設定温度を一時的に上げて対応されたりします(ファンのHzが可変する場合、温度幅を広げることもあります)。でも、最後は豚が答えを出しますね。


この時期は本当に日較差が大きく、豚舎内の環境コントールに悩みますが、皆さんの一助となれば幸いです。臨機応変に対応し、この難しい時期を乗り切りましょう!


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JASVブログ第266回

こんにちは。豊浦獣医科クリニック(TVC)田村です。


こちら神奈川ではかなり春を感じる陽気になり、先日桜の花びらが道路に散っているのを見て途端に「嗚呼、春だなあ」と実感しました。皆様のところではいかがでしょうか?

(止まらないくしゃみや目のかゆみで実感した方も多いのでは?)


3月には例年弊社主催で「初級養豚研修講座」(以下初級講座)があり、今年も312日~15日に実施しましたのでその様子をお伝えしようと思います。


初級講座は養豚場の後継者、新入社員の教育、もう一度基礎から学びたい方を対象としています。社会人としてのマナーや飼養管理の基礎の講義、実際に豚を使っての実習など養豚に携わる者にとって、とても有意義な内容となっています。

 そして、この講習の最大の魅力は、何と言っても経験豊富な講師陣による講義です。全国で活躍されている養豚管理獣医師を講師に招いており、直に話を聞ける良い機会でもあります。 また合宿タイプのため、全国各地からこの講習に参加されており、受講生同士の交流も魅力のひとつです。

 この研修を終えて、講習の内容や受講生同士の情報交換の内容などを地元に持ち帰り、今後の仕事に役立てていただくことが、この講習の最大の目的です。

(弊社ホームページより抜粋)


講座内容をあたらめてご説明すると、初級と名がつく通り、豚に関わる基本的な知識や現場経験の少ない養豚初級者でもなるべくわかるよう配慮して構成しています。「解剖学」「呼吸器病」「消化器病」などの基本的な話から、PEDなど聞いたことのある病気名も交えて解説し、農場現場で見て感じたことと結びつくように各講師陣工夫しています。私も僭越ながら今年から「バイオセキュリティ」と「精液実習」の講座を担当させていただきました。

…余談ですが、誰にでもわかるような講義となるよう資料作りや話し方というものは思った以上に難しかったです。専門用語の乱用は控え、簡単な言葉やフレーズに言い換えるという作業を通じて自らの理解があいまいだった部分も補えたような気がします。


参加者の層ですが、例年農場の若手の方(後継者、入社0~3年目程度の従業員)のご参加が多く、今年も二十歳前後の方にたくさん参加していただきました。中には産業動物用製品のメーカーの外回りを担当される方や、地方自治体の畜産分野の部署で働かれている方も参加されており、年々参加する年齢層や所属先の多様性が増していて、普段お会いすることもじっくりとお話しすることもなかなかないメンバー同士の有意義な交流の場になっています。


…と、宣伝みたいな内容ばかりで恐縮なのですが、例年リピーターや口コミでの参加申し込みが多く、すぐに埋まってしまう傾向にあります。個人的な見解ですが、養豚業界には人材育成や「背中を見て倣え」だけでは通用しないより効率的・効果的なスキル向上が必要であり、そのための体系的な教育の需要があると考えます。我々もすべての参加希望者に対応できるわけではありませんが、少しでも多くの養豚家の皆様のお力になれればと思い続けています。今回で初級講座も第16回を迎えました。卒業生一同が活躍して笑顔で働いていければ良いなと願っております。(…と、弊社社長が申しておりましたので代筆します。)


卒業生が社長や場長クラスになっているころに私はどうしているかなあと思いつつ、次会う時に恥ずかしくないように、養豚獣医師として精進していきたいと思います。


卒業生よ、大志を抱け!また逢う日まで。


豊浦獣医科クリニック 田村美穂

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JASVブログ第265回

皆様こんにちは、(株)ピグレッツの平石です。


2018年になって早2ヶ月が経過し、月日の早さを身に染みて感じております。もう3月となりますが、下旬から関東ではお花見シーズンが始まりますね。僕は大学が北海道だったのでお花見シーズンが5月上旬からでした。関東でもうすぐ桜が見られることに今だに驚きを覚えます。去年はお花見ができませんでしたが、今年はお花見に参加したいと楽しみに思っています。

就職してもうすぐ丸2年が経過しようとしていますが、まだまだ勉強不足だなと実感する場面に遭遇する毎日です。日々新たな知識や経験を身につけると同時に、これまで国内外の多くの学会にも参加する機会をいただき勉強してきました。そこで得た知識なども今後契約農場の皆様に還元していきたいと思っています。

また、最近と畜検査員の方とお話しする機会も多く僕自身も農場で病勢鑑定を行っておりますが、自分とは違う視点で検査している方の話は刺激的でとても勉強になりました。ピグレッツで関わっている農場の豚が病気に負けず、美味しく安全な肉が多くの消費者の食卓に届くよう獣医師としての技術に磨きをかけ今後も切磋琢磨していこうと思います。

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JASVブログ第264回

 こんにちは、あかばね動物クリニックの水上です。


 現在、韓国では冬季オリンピックが開催されています。時差がそれほどないため、生放送を見ても夜更かしすることはなさそうです。あまり縁がないスポーツでも自国の選手は応援したくなりますね。オリンピックは冬季と夏季があり、2020年は東京で開催されます。プレゼンテーションで使われた「OMOTENASI」が流行語になったのは2013年ですから、東京オリンピックもあっという間にやってきそうですね。


2020年は教育現場で一つの改革があります。それは小学校でプログラミング教育が必修化されるというもので、世界各国ではすでに進められています。日本のITエンジニア人口は2014年時点で84万人とまだ少ないです。しかしながら、直近の生産年齢人口は6500万人、全体としては減少傾向にあるなかでも増加傾向にある分野であるため必要性が高まっています。話は変わりますが、生活に必要な教育として「読み書き算数」があります。一般教養であり、生きていく上で必要なものだからです。そこに「プログラミング」が必要になるとも考えられています。専門的にプログラミングができる人を育てるのではなく、誰もが、例えば養豚に携わっている人が当たり前のようにプログラミングができることを想定しているようです。アジア、アフリカを除いて少子高齢化が進む中、人工知能やアプリケーションを用いた労働が必要になってくるでしょう。


 同じ畜産分野である酪農業では着実にIT化、機械化が進んでいます。数十年前の酪農は、1軒に数頭だけ搾乳牛がいて、人が手搾りでバケツに牛乳を搾るというものでした。それが乳牛の性能向上により乳量が増加するとともに、大規模化していく中でフリーストールやフリーバーン、いわゆる群管理にシフトしていきました。ミルキングパーラーと言う搾乳専用の場所を設けることで作業が効率化、一人当たりの管理可能頭数は増えていきました。それでも人手は不足し、外国人研修生の就労割合が増えてきています。最近では出向元の国の経済発展などに伴い人材確保が難しくなっているとの話も聞きます。そこで注目されているものがロボット搾乳です。

 ロボット搾乳とは、その名の通り機械が自動で牛から乳を搾ってくれるものです。言葉にすれば簡単ですが、衛生的な牛乳を搾乳し、乳牛自身も乳房炎にならないように管理するため、何段階もの作業工程が組み込まれています。導入件数はまだ少ないながらも、大規模農場では検討されています。

 スマートフォンなどを媒体としたアプリケーションによる管理も進んでいます。主に繁殖、出荷、疾病管理などをクラウド管理しています。それまでは紙ベースであったものをデータ管理することで、集計・統計による問題点の抽出ができるようになってきています。使い方によっては大きな改善効果があると考えられます。


 養豚業界でも新しい設備やアプリが製品化されています。作業の効率化も大切ですが、新しいことに取り組み、楽しく管理することも大切だと思っています。

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JASVブログ第263回

みなさんこんにちは!()サミットベテリナリーサービスの渡部 佑悟です!


新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

昨年12月、アメリカカンザス州にて研修する機会を頂きましたので、今回は、簡単な報告とさせていただきたいと思います。

今回のアメリカ研修では豚の飼養方法などについては触れず、餌に関する基本事項や、最新の研究結果について学習しました。最近の研究結果として紹介されていたことは、肥育豚における飼料中リジンの影響が、品種によって異なるということです。そのため、飼料と品種、環境などを考慮した総合的なコントロールが必要ということを学びました。また、原料の栄養価に関しては、日本とアメリカではそれぞれ日本飼養標準、NRCという資料がありますが、原料に含まれる成分は厳密には産地によっても異なり、アメリカ産大豆は他国に比べて、エネルギーや含まれている総リジンの含量が高いことが特徴として挙げられていました。これは大豆の育成環境だけでなく、搾油工場での加工技術、その後の保管技術や輸送手段が大豆の品質を損なわないように調節されていることが理由だそうです。

アメリカの飼料形態は地域によって異なり、マッシュを選択するのは、原料が安く得られるアメリカ中西部の養豚場が多く、原料代が高いアメリカ南東部の養豚場では飼料効率を重視してペレットを選択する農家が多いと聞きました。ここにアメリカらしさを感じたのですが、アメリカの農業は費用対効果を厳密に計算しています。養豚農家はペレット加工にかかる費用増加分と、それによる効果を厳密に計算し、利益を増やせるように選択しています。栄養成分に関しても、飼料中のリジンやエネルギーなどの栄養価を増やすことが豚の要求率、増体重改善に役立つことが分かっていても、そこにかかる費用と効果(利益)を計算します。

このように、アメリカの農業の基本は費用対効果の厳密な計算の上に成り立っています。飼料についても養豚農家が栄養学を勉強して良く理解していました。日本では飼料についてはCP値とTDNと価格で議論する傾向がありますが、その中身までよく理解し、飼料会社と協力して同じ目線から議論できることが、双方にとって有益な関係を作る助けになると思います。私も、今回アメリカで学習したことを現場に活かしていきたいと思います。

最後に、今回のアメリカ研修でお世話になりましたアメリカ大豆協会の皆様に深く御礼申し上げます。


()サミットベテリナリーサービス

渡部 佑悟

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JASVブログ第262回

 皆様こんにちは、イデアス・スワインクリニックの早川です。

 今日は20171231日。今年も最後の日を迎えました。毎年思うことですが、1年て早いですね!そして年々そのスピードが上がっている気がします。


 今年は、国内で特段大きな疾病の発生が無く、その点は良かったと思います。かと言って疾病が無かったわけではありません。中でも一番大きな問題となったのは、やはりPRRSです。千葉県北東部では、今年の初めにPRRSの地域的な流行があり、複数の農場で長期にわたって母豚も肉豚も多大な被害が出ました。この流行とは直接関係ない農場でも、PRRSの被害から無縁ではいられなかったのは、言うまでもありません。やはり、優先的に対策しなければならない疾病の筆頭でしょう。


 他所でも書いていますが、2017年は私の地元である千葉県旭市にとって大きなスタートを切った年でした。旭市内に存在していた複数の養豚組合が統一され、旭市養豚推進協議会が成立したのです。私がもともと所属していた干潟地区養豚組合の春の総会は、そんなわけで解散総会になりました。私は組合顧問の末席を汚す身としてその場に参加させていただきましたが、改めてこの組合の歴史と未来を思い、一人胸を震わせたのを今でも覚えています。組合が力を入れてきた地域防疫の一層の発展のために、様々な事情を乗り越え、それぞれの組合の歴史と特色を脇へ置き、旭が本当の意味で一つになろうという明るい未来を見据えたこれ以上にない良い解散総会でした。このような場に居合わせたことは、私にとって幸甚でした。思えば、干潟地区養豚組合は、私が養豚管理獣医師として旭でスタートを切ったときからすぐ傍らにあり、同時にその内側で地域の一員としての役割を常に問われて来たのです。このような環境は、私の中に地域防疫の考え方の土台をしっかりと形作るとともに、養豚管理獣医師としてのアイデンティティのようなものを育ててくれました。

 旭市の養豚家たちの新たな門出を祝福するかのように、2017年から、地域豚疾病緊急対策推進事業が始まり、旭市ではPRRSコントロールプロジェクトが始動しました。この事業もあり、これまで同じ旭市民でありながら一度も顔を合わせたことのなかった生産者同士が顔を合わせたり、私自身初めての農場にお邪魔する機会を得たり、新たな出会いがたくさんありました。同じ旭市でも、規模も異なれば種豚も異なる、密集地帯から少し離れれば疾病の状況もまるで異なってくる、さらにはモノの考え方もまるで違う・・・・・その多様さは、新鮮な驚きを覚えるほどでした。この地域のことを知った気でいたけれど、まだまだ知らないことがたくさんある、そしてそのこと自体が、この地域の新たな可能性に直結していると思えました。


 そんなわけで、2017年は地元旭で大きな変化のあった1年でした。来年は、この変化を発展させ、地域としても個人としても、目に見える形で結果を残したいと思います。

ついつい地元のことばかり書いてしまいましたが、皆様はどんな1年を過ごされましたでしょうか。そして新しい1年に、どんな未来を描かれるでしょうか。願わくば、明るいチャンスが皆様の元に訪れますように。お祈りして、今年最後のJASVブログとさせて下さい。皆様よいお年を!


posted by JASV at 18:12Comment(0)日記

JASVブログ第261回


こんにちは!

サミットベテリナリーサービスの数野由布子です。


年の瀬も押し迫ってまいりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか?

私はすでに上下ヒートテックで全身を固めております(^^;;



今回は農場HACCPについて紹介したいと思います。

昨年は農場HACCPの指導員研修を、今年は10月に審査員研修に参加して来ました。


今回の研修では、審査に伺った場合を想定して実演したり、事前に提出していただくHACCP書類の確認方法などを学びました。


研修は3日間だったのですが、最後に筆記試験がありました。。

とても、緊張しました。

試験の結果は1週間後に届き、、


結果は、、


合格でした!



話はさかのぼり。

実のところ、学生時代にHACCPについて学ぶ機会がありました。

(国家試験の範囲に入っているので。。)


しかし!実際のところはHACCPが一体何なのかさっぱりわかっていませんでした。


昨年は指導員研修に参加し、HACCPとはどういうことなのかを学び、

実際に農場でHACCP構築に携わらせていただいてきました。

私も構築に携わらせていただきながら、HACCPへの理解を深めています。



まず、皆様もよく聞かれると思いますが、農場HACCPについて簡単にお話しします。

HACCPとはHazard Analysis Critical Control Pointの略で、

危害要因重要管理点のことです。


農場HACCPは、安全な豚肉を作るために、スーパーに並ぶ豚肉(最終製品)を検査するのでなく、

(原料)の製造・出荷までのすべての生産工程において、

あらかじめ起こり得る危害(生物的、化学的、物理的)を予測します。

その危害を未然に防ぐために、管理ポイントを設定し、

継続的に監視・記録を行うシステムのことです。


HACCPを、現場でどう活かすのかは、

始めてみないと生産者の方々も分かりにくいかと思います。


始める上で、まず1番分かりやすいのは、注射針や薬剤の管理だと思います。

実際に、農場HACCP認証取得に向けて、注射針の管理からスタートさせる場合が多いです。

そして、今年は農場HACCPに取り組む農場数がぐんっと増えました!


これからも研修で学んだことを生かして、

少しでも生産者の皆様の農場HACCP認証のお役に立てるように頑張ります!



最後に、

石関先生からブログを引き継がせていただいてから、

ブログを読んでいるよと声をかけてくださる方々いらっしゃいました^^


今年1年もありがとうございました!

来年もどうぞよろしくお願い致します。


数野由布子






posted by JASV at 17:03Comment(0)日記