JASVブログ第258回

皆さんはじめまして。

昨年4月から千葉の養豚専門の家畜診療所(株)ピグレッツに入社致しました平石竜也です。

こちらのブログ更新が初めてとなりますので、まずは自己紹介をさせて頂きたいと思います。
生まれは東京ですが、中学2年生~高校卒業まで海外で過ごし大学は北海道の酪農学園大学を卒業しました。
趣味は海外旅行とテニス、ロードバイクなどで今後週末に自転車で九十九里のサイクリングロードに行き爽快感を味わいたいと思っています。
私が養豚獣医師を目指した理由ですが、私は肉の中でも豚肉が一番好きで、おいしい豚肉を食べてみたいとの思いから養豚獣医の仕事に興味を持ったのがきっかけでした。その後、学生時代にピグレッツで何度か研修をさせて頂き、実際に農場に入り離乳前後の子豚の可愛さに魅了され養豚獣医として働く決心がつきました。
実際に働き始めて、千葉県北東部の養豚場の密集度合に驚きましたが技術を向上させるには素晴らしい環境だと思いました。また、様々な養豚場がありますが分娩舎で豚用にクーラーを設置している農家さんもおり学校の教科書に書かれている以上に現場では様々な工夫をされているのだと再認識しました。
現在ピグレッツで母豚の個体診療や妊娠鑑定、病勢鑑定にワクチン接種などを行っていますが、今後これらの技術に磨きをかけ皆様のお役に立てる養豚獣医師になれるよう精一杯努めたいと思います。
何卒よろしくお願いいたします。

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JASVブログ第257回

 こんにちは、あかばね動物クリニックの水上です。


721日にJASV15回通常総会・活動報告会が開催されました。加えて記念公演が2題、「海外における動物用抗菌剤使用量モニタリングと薬剤耐性菌対策(杉浦勝明先生)」「持続可能な畜産のためのJGAP認証(澤田一彦先生)」がありました。薬剤耐性(AMR)対策とJGAP、どちらも今の養豚業界でホットな話題です。今回は前者のAMRについて少しだけ掘り下げてみます。


AMRが注目され始めた背景の一つは、人への薬剤耐性菌による被害拡大です。英国の調査チームが発表した「抗菌薬耐性レビュー」があります。この報告では、耐性菌による世界中での死亡が2013年時点では70万人であり、十分な対策がなされなければ2050年には1000万人にのぼるおそれがあると言われています。またone healthと言って人の衛生、家畜の衛生、野生動物の衛生に関わる関係者が連携共同して統合的に取り組むことが推進されてきています。


薬剤の使用方法についての方針も見直されつつあります、「適正使用」から「慎重使用」です。慎重使用については農林水産省から基本的な考えが提示されています。適正とは滴定で正当なこと、つまり法令及び用法・用量を遵守し、使用上の注意に従って使用することです。慎重とは注意深く、軽々しく行動しないこととあります。それは抗菌剤を使用するべきかどうかを十分検討したうえで、抗菌剤の適正使用により最大限の効果を上げ、薬剤耐性菌の発生を最小限に抑えるように使用することです。このように挙げると難しいことのように聞こえ、少し敬遠されるかもしれません。けれど慎重使用とは何が何でも使う量を減らすということではなく、使うべき時はしっかり使うことです。ダラダラ使うことをやめて、短期集中投与にすることで、病原微生物を一気にたたくことができ、薬剤コストを抑え、薬剤が効きづらくなることが少なくなる。このようにメリットも出てきます。まずは農場にはどのような病原体がいて、どのような抗菌剤が効果的かを再確認することがスタートになります。

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JASVブログ第256回

みなさんこんにちは!()サミットベテリナリーサービスの渡部 佑悟です!


今年の群馬では、梅雨らしい梅雨がなかったように感じます。関東でもあっという間に梅雨が明けてしまいました。夏の暑さに関して言えば、気象庁によると、昨年2016年の夏は1898年の統計開始以降最高の暑さだったそうです。そして今年の8月、9月の予想は去年よりも熱いそうです。つまり今年も過去最高の暑さになる可能性があるということです!!こうなると、今まではなんとか耐えられた夏場対策でも、今年の夏(または来年以降のさらに暑い夏)では通用しなくなる場合があるということです。暑さの影響としては母豚の繁殖成績低下、子豚の増体重減少やストレスによる疾病の拡大などがありますが、毎年このような影響に悩まされている農場では、今後さらに苦労すると思います。今後の夏の暑さに向けて、全ての養豚場で、本腰をいれて対策しなければ、夏場の成績低下は避けられないでしょう。

また、夏は暑さ対策も重要ですが、落雷による停電にも気を付けなければいけません。落雷によって、ウィンドレス豚舎の換気扇が止まり、子豚が窒息死するという事故が懸念されます。落雷や雷雨は局所的に起こることが多く、自宅付近で落雷が落ちるような天気ではなくても、農場で落雷があることがあります。従業員がいる時に停電に気付ければすぐに対処できますが、夜中に停電が起こるとすぐに異変に気付くことが出来ません。多くのウィンドレス豚舎を採用している農場では停電時の緊急連絡が電話で来るようになっていますが、その機能が故障していて、連絡が来なくて結局豚が窒息死してしまった農場もあります。そのような被害を防ぐためには、緊急連絡機能の点検を定期的に行うと良いでしょう。または、停電時に作動する緊急換気装置を設備として備えておくことをお勧めします。緊急換気装置は様々ですが、通常使用している電気回路とは別電源の充電式ファンで温度が高温になった時に作動する装置があります。または、エアーカーテン内の空気を通常時は流れるようにしておき、停電時はエアーカーテン内の空気の供給が止まることでカーテンがしぼんで外気が入る仕組みになっている緊急換気装置もあります。いずれの場合にしても、電気が無くなった時に自動的に換気を行えるような仕組みにしておくことが重要です。この備えは、万が一の時に必ず役に立ちます。そして、このような万が一は必ず日本全国でどこかで起きています。自農場だけは特別と考えず、対策を取っておくことが重要です。


最後に、豚の健康もさることながら、農場に関わる皆様も熱中症などを起こされることのなきよう、十分な水分補給と、こまめな休憩を確保して、ご自愛くださいませ。

()サミットベテリナリーサービス

渡部 佑悟

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JASVブログ第255回

 皆様こんにちは、イデアス・スワインクリニックの早川です。私が住んでいる千葉県旭市では、ついにほとんど雨が降らないまま夏本番を迎えることになってしまいました。懸念されていた水不足が関東全域で深刻さを増しています。かと思えば、つい数日前に首都圏では天気の急変により大風・大雨、さらに大粒の雹までもが降りました。連日被害の爪痕がニュースで伝えられる北九州の豪雨災害にあっては、一日でも早く復旧が進むよう祈るばかりです。


さて、豚の獣医師になったことで私のホームグラウンドとなった旭市は、南を弓型のカーブを描く九十九里浜に面しています。海岸線から7,8㎞は真っ平な地形が続き、その先に北総台地が北へ向かってなだらかに広がっています。海風がこの広い平野を自由に行き来するせいか、昼間がどんなに暑くても朝夕はしっかり気温が下がり、ぐっと涼しくなります。熱帯夜に耐え兼ねて窓を開け放って横になると、朝方は毛布を引き寄せずにはいられなくなるほどです。

もちろんそれは豚も同じです。開放豚舎では夜間のカーテンの開け幅の設定に苦慮するケースが冬場より多いと感じます。夕方はまだ昼間の熱気がこもっており、開閉度を大きく取りたい。が、夜間から明け方にかけて急激に気温が下がり、大きくカーテンを開けたまま農場を出てしまうと、温度が下がり過ぎて肺炎が出たりする。一日の温度差が、季節の変わり目だけではなく、夏本番になっても悩み深いのがこの地域の特徴かもしれません。最近は地理的条件に関係なく、気温や降水量などあらゆることが極端化していますので、もしかしたら他地域でも同じ悩みがある農場は意外に多いのかもしれません。


この悩みの解決法は、カーテン調節を2段階で行うということに尽きます。つまり、夕刻農場を離れる前に一度、気温が下がり始めてからもう一度。このひと手間をどうルーチンに組み込むかが本当の悩みどころなわけです。農場の近くに自宅がある、農場敷地内に住み込みの従業員さんがいる、という条件ならまだしも、農場と管理者が離れているとなかなか実施できないまま夏を過ごしてしまう・・・と言った方も少ないことでしょう。


が、もしかしたら「ひと手間」で悩む必要も、もはやないかもしれません。最近はITの畜産分野への参入が、生産データ解析以外の現場管理に関してもよく聞かれます。例えば豚舎の温度・湿度のモニタリングデータをモバイル端末で確認し、対応している農場などです。他にも、私が養豚場で「あったらいいな、できたらいいな」と思うこととして、分娩舎のモニタリングシステム(圧死低減や分娩介助のため)、出荷豚の視覚データによる体重測定もしくは個体別の出荷予測、などがあります。「技術自体はある、どんなニーズにも答えられる技術は。」と、以前技術屋さんに言われたことがあります。が、それが実際の省力性、収益性に繋がるかはまた別の問題である、とも。養豚現場とIT技術という異分野を発展的に繋ぐには、ニーズとシーズのマッチング、チームの編成、アイデアの研磨、運用の工夫、活用の向上に至るまで、長期的にコミュニケーションの場を作りながら舵取りをして行く人間が必要であり、それが養豚管理獣医師の新たな役割になってくるのではと予感しています。新しいことを恐れず取り入れて、変化する時代の波に柔軟に対応して行けるよう努めていきたいです。

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JASVブログ第254回

㈱バリューファーム・コンサルティングの大久保光晴です。

関東含め多くの地域が67日に梅雨入りしましたが、雨はあまり降っておらず、真夏の水不足が心配です。


最近、加計学園の獣医学部新設問題の影響で、各種メディアで獣医師と言う言葉を良く耳にするようになりました。卒業後に獣医師国家試験を受ける資格が得られる獣医学部や獣医学科を設置している大学は、国公立大学は11大学、私立大学は5大学の計16大学あり、毎年約1,000人の獣医師が誕生しています。ちなみに医師は毎年約8,000人、薬剤師は毎年約9,00010,000が誕生しています。では、獣医師の数は少ないのでしょうか。


獣医師には2年に1回、就業状況について農林水産省(農林水産大臣)へ届け出る義務があり、その情報を元に統計をまとめ、今後の動向分析・対策を立てるのに活かされています(http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/zyui/index.html)。

平成26年の調査では、全体の獣医師数は39,098人、その内で獣医事に従事する人の総数は34,548人となっています。

さらにその内訳をみると、国・都道府県・市区町村の職員を含む公務員は9,526人、農業共済・製薬会社・飼料会社・大学などを含む民間団体職員は7,623人、個人診療に関わる人は17,241人います(その他は158人)。加えて個人診療のうち、犬猫に関わる人は15,205人、我々を含む産業動物に関わる人は1,896人です。

ここで犬猫と産業動物に関わる人の平均年齢を見ていると、犬猫は46.2歳、産業動物は59.3歳です(上記のURL内でダウンロードできるデータについて、全国集計と都道府県別集計の産業動物獣医師の小計に約200人の差がある理由は不明)。ところで、大学卒業後の進路を見てみると、犬猫を含む小動物臨床に進む人は約4050%います。


ここからはそれぞれの意見が分かれると思いますが、私は卒業後の進路が偏っているために、分野によって人手不足・過剰が起こっていると考えています。また、平成26年の厚生労働省の全国の届け出医師数は約311,000人で、獣医師の毎年の供給割合の方が多いです。

産業動物獣医療はますます重要な分野になっていくと思いますが、今後も人手不足は続くと考えています。まだこの分野を知らない獣医師の方、学生の方がいらっしゃいましたら、是非興味をもっていただき、一度見ていただければと思います。


添付資料:農林水産省による平成19年5月獣医師の需給に関する検討会報告書より抜粋

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JASVブログ第253回

こんにちは。サミットベテリナリーサービスの数野由布子です。


今年は気温が上がるのが早く、すでに真夏のように日差しの強い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?


2017年も半分が過ぎようとしていますが、私は3月に初めてJASV年次大会という大舞台で発表させていただく機会があり、「ベンチマーキングからみた多産系母豚を導入した農場の生産成績の傾向」という内容で発表致しました!


一部ではありますが、発表内容を紹介させてください。


近年、多産系母豚の導入が増加傾向にあり、高い産子数を達成するものの、1腹当たりの生存産子数の多い農場ほど哺乳中事故率が高い傾向があることが明らかになっています。


多産系母豚を導入しているA農場の事例では、分割授乳の実施、子豚の保温の徹底、生時体重を増やしたこと、母豚の飼育環境を改善したことにより、哺乳中事故率に改善が認められました。

多産系母豚は産子数の多いことが特徴かつ利点でありますが、多く生まれた子豚を哺乳中に死亡させないため、これらの基本管理の見直しが有効であると考えられました。



今回、データを分析する中で改めてベンチマーキングの重要性を感じました。自農場の成績を継続的に記録することで、対策実施後の成績改善を数値から明らかにすることができます。

また、ベンチマーキングに参加することで、他農場の成績と比較・分析が可能になります。


5月にはJASVベンチマーキングセミナーが東京で開催され、5つの生産指標の上位3位の農場が発表されました。

表彰農場の中から、実際に取り組んでいることが紹介され、参加者の皆さんからも多くの質問が飛び交い、私も勉強になるセミナーとなりました。


私自身もデータ収集の作業に携わらせていただいていますが、年々ベンチマーキングに参加される農場が増えてきています。ご興味ある方は、JASV事務局(TEL046-290-5630 MAIL: pig.jasv●r7.dion.ne.jp(●を@に変えてください))までお問い合わせください!



※今月、石川先生が還暦をむかえられ、みんなでお祝いパーティをしました!

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JASVブログ第252回

こんにちは。サミットベテリナリーサービスの数野由布子です。


2017年がスタートして早2カ月が過ぎようとしています。

ご挨拶が遅くなってしまいすみません!皆様、本年もどうぞよろしくお願い致します!


さて、昨年末1221日に麻布大学で記念すべき第10回のPCC症例検討会が開催されました。今回は5名のJASVの先生方の他に、農研機構動物衛生研究部門の川嶌健司先生が特別講演をしてくださいました。


PCCPorcine Clinic Center(豚クリニックセンター)の略であり、JASVでは臨床現場から麻布大学PCCに検体を送り、病理検査・PCR検査・寄生虫学的検査により疾病診断を行っていただいています。


今回、弊社からは石関先生と渡部先生が発表しました。事前に麻布大学を訪問し、獣医学部病理学研究室の代田欣二先生より検体の病理組織所見についてご指導いただきました。私は麻布大学を卒業しているため、代田先生と一緒に顕微鏡をのぞき、ご指導いただくことができて、学生に戻ったような気持ちになりました。


弊社から発表した症例については、私が石関先生、渡部先生と一緒に農場に行った際に採材した検体でした。豚の症状を見て、剖検を行い、病原体検査、病理組織所見から診断するという一連の流れを最後まで追うことができ大変良い経験になりました。改めて、総合的に判断することの重要性を学ぶことができました。


症例検討会の詳細についてはレポートを作成していますので、ぜひチェックしてみて下さい!

以下リンクです。

http://www.e-jasv.com/info/info-44.html

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群馬は雪が降り寒い毎日です。どうぞ皆様も体調を崩されないようにお過ごしください。

posted by JASV at 11:16Comment(0)日記