JASVブログ第107回

 感染収束の様相がみられない口蹄疫、宮崎県だけではなく日本の畜産が危機にさらされています。

 発生現地では感染を抑えきれないことに対する不安や憤りがあるかと思います。畜産の根幹でもある家畜改良事業団と種豚センターにまで発生が及んでいたことで、畜産の将来にまで影響が及んでいます。今はワクチン接種が開始されているので、これ以上の拡散がないことを願います。


 過去の例になりますが、2001年にイギリスで発生した口蹄疫では農場2000件以上、家畜600万頭以上、被害額は計り知れません
。終息には半年以上かかりました。一方日本の近くにある島・台湾では1997年に疑似患畜が確認され、瞬く間に島内に口蹄疫が蔓延し、養豚業が壊滅的な状況になりました。
 日本において現在の最善のシュミレーションはこのまま落ち着くことです。逆に落ち着かない場合も想定して、各農場・各地域ごとにシュミレーションをすることで、危機管理体制を整えておく必要があると考えています。

 

 最近は暗い話題ばかりですが明るい話もあります。プロゴルファーの横峯さくらさんは宮崎県の口蹄疫対策として1200万円を募金されています。他にもJPPAを含め多くの団体が募金をされていて、宮崎の畜産を応援しています。またえびの市での最終発生例を殺処分した5月13日から、新たな疑い事例は発生していません。このため、移動制限区域解除のための清浄化確認検査を開始しています。封じ込めが可能だという希望の光が見えてきています。

JASVブログ第106回

バリューファーム・コンサルティングの奥村です。

口蹄疫の発生。宮崎の現場の方々の不安といらだちは最高潮に達していると思います。とにかく、感染の広がりが落ち着いてくれることを祈るとともに、渦中の農家の皆さんや、防疫作業に奔走されている方々、体力的にも精神的にもたいへんなときだと思いますが、どうかどうかこの状況を皆で乗り越えられますように。

 

このようななか、人ごとのようにブログに書く余裕があることさえ申し訳なく思えてくるのですが・・・。今回、思ったこと、2点。

 

1、一刻も早い発生の通報がその後の感染拡大の行方を大きく左右するカギとなるが、もしそれがその地域での初発になるかもしれない場合、やはり普通の人間は躊躇すると思う。生産者ならなおさら。やはりその役目は獣医師でなければいけないと思う。自分がその立場にいたら、良識のある判断がとれるだろうか・・・こんなときJASVの先生方のように良識ある仲間が結束することは非常に重要と思う。

 

2、最初の発生報告が、必ずしも震源地ではない。ある程度感染が想定できる範囲において早急に疫学調査できる方法がないのか?移動制限外は屠場でのサーベイとか?移動制限内だけでのことなのか、実はすでに広がっていて摘発されていないだけなのか、牛は全国へ移動しているので、非常に不安になる。

 

いずれにしても、冷静で科学的な判断に基づきながらも、最悪の事態を想定して行動しなければいけないと今回強く感じる。やみくもに走り出す必要はないけれど、落ち着くまでは決して楽観視してはいけない、いざというときにいつでも走りだせる、中腰の姿勢で臨みたい。

 

バリューファーム・コンサルティング 奥村