JASVブログ第204回

 あかばね動物クリニックの水上です。

皆様、夏バテになっていませんか?急激に暑くなり猛暑日が続いていたと思いきや、気温は下がったにもかかわらず湿度が一日中高くなり不快指数が急上昇!体力がどんどん奪われて夏バテになります、まさに私がそうなっています。とりあえず脱水で倒れないように水分補給することは大切です。それだけでなく、しっかり休息も取ってください。日はまだ長いので焦らず、怪我や事故がないように仕事に励みましょう。

 

さて、日本の夏は「高温多湿」と人間にとっては非常に過ごしづらい環境になります。一方でカビが発育するためには絶好の環境になります。カビが好む温度は20~35℃、湿度は70%以上と言われており、夏は昼夜問わず増殖の適期になります。さらに養豚場の中はカビたちにとってご飯になるものが至る所にあります。そして、成長したカビがストレスを受けると「カビ毒」という豚たちにとって非常に有害な物質を放出します。肝障害や免疫力の低下などをもたらすアフラトキシン、繁殖障害を引き起こすゼアラレノンなど数多くあります。「カビは穀物が収穫された時点ですでに発生している」と言われるように、カビたちは飼料が農場に到着した時点でいつでも増殖できるようにスタンバイしています。人間や豚にとってはたまったものではありません。カビの奴らにいいようにさせないために、カビたちの嫌いな環境を作りましょう!

 

その対策の一環として目にしたものに、「飼料タンクの石灰塗布」「分娩母豚への不断給餌器」があります。


 タンク石灰塗布.JPG 分娩舎用不断給餌器.JPG

 

飼料タンクは直射日光に直接さらされると夏場には40℃を超えると言われています。さらに昼夜の寒暖差で結露が発生して、タンク内は湿度まで上がってしまいます。するとカビたちにとっては住み心地の良い環境になってしまいます。それを防ぐには遮熱するに限ります。遮熱塗料やタンクカバーなどありますが、購入には踏み切れない方もいます。その代わり、夏場対策として屋根に吹きかけている石灰乳をタンクにもかけています。効果の程がまだはっきりしていませんが、塗布していない部分と比べてみると表面温度は下がります。低コスト低労力なので気軽に実施されています。

 

泌乳期の母豚は、泌乳量をあげるために出来るだけ食べさせたい、でも夏場はちょっとしいたさじ加減で残してしまう、大きな装置は入れられないし、どうしたらいいのだろう…。その問題解決のために購入した不断給餌器を見させてもらいました。思っていたより小さく、簡素な造りだったので頼りがいがなく感じましたが、使用感は良好とのことです。食べる量が増えて、残す量が減る、しっかり目的は達成しています。残飼が少ないので腐敗せず、母豚は新鮮な飼料を食べられます。

 

 

食品業界では様々な問題が起きており、食の安全性には注目されています。人間だけでなく豚たちの食の安全にも気をつかってあげると、こちらを見て微笑んでくれるのではなかと思っています。