JASVブログ第214回

皆様こんにちは。

サミットベテリナリーサービスの石関紗代子です。

 

先日は、JASVと麻布大学が合同で行っている麻布大学PCCPorcine Clinic Center)の症例検討会がありました。麻布大学PCCは臨床現場からの検体を受け付け、病理検査を主軸とした疾病診断をしていただけるJASV正会員向けのシステムです。この症例検討会は今年の症例の中で注目すべきものを取り上げて、担当の獣医師が臨床症状などを報告し、それに対して病理診断をして下さった代田先生がコメントして下さるという形式です。毎年12月に開催されているこの検討会ですが、今回は第8回。JASVは今年10年目になりますが、PCC2年間の準備期間を含めるとJASVとほぼ歩みを同じくしている、という麻布大学内科第一研究室の伊東正吾先生の言葉が印象的でした。

検討会では、麻布大学の勝俣先生が飼料栄養に関する特別講演として、飼料米のことなど、ご自身の研究を基に具体的な話をして下さいました。その後は4人のJASVの先生方から今年の症例について発表がありました。詳細は後日ホームページにレポートがアップされると思いますのでそちらに譲りたいと思います。今年はPEDの発生があったために、検査依頼数が通常の半数近くにまで減少していたことが特徴でした。

毎年感じることですが、農場の普段の様子を見ていて、病気が発生した時に症状を見て(群の症状、個体の症状)、それから剖検した肉眼所見を見て、そこからさらに顕微鏡の病理所見を出していただいて診断がつくという、臨床現場からひとつの診断につながる経験はとてもとても勉強になります。こうして積み上げた一つ一つの経験が、自分の力になっていくと感じます。あらためて病理検査をしていただく先生方に感謝したいと思います。

 

また、同じ日に、JASVと麻布大学の連携協力に関する協定書の調印式が行われました。麻布大学は豚に関わる獣医師の卒後教育の場として様々な機会を提供して下さっていますが、今後もますますJASVの臨床現場で奮闘している獣医師との連携が強くなることを頼もしく、そして楽しみに思います。

 

さて、今回は今年最後の投稿です。今年の12月は各地で寒波が訪れていて多くの地域で例年以上の雪も降っているようです。

皆様体調には十分にお気を付けて、良い新年をお迎えください。

そして来年もよろしくお願いいたします!

 

㈲サミットベテリナリーサービス

 

石関 紗代子

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JASVブログ第213回

今年最後の投稿になります。

みなさんこんにちは!()サミットベテリナリーサービスの渡部 佑悟です。

 

ついこの間始まったと思っていた2014年もあと1か月で終わろうとしています。本当に一年という期間はあっという間だったなと実感しつつ、今年一年でしっかり成長できたかどうか、正月にしっかりと反省し、迎える2015年に備えていければと考えております。

 

さて先日1125日~27日にかけて麻布大学にて“養豚大学校”が開催されました。この3日間の中で特に印象に残った授業は全国食肉学校の古澤栄作先生が実際の枝肉を使って行われたカット実習でした。私たち養豚専門獣医も養豚農家さんのみなさんも、生きている豚には触れる機会が多くありますが、枝肉を扱うことは皆初心者です。トリミングや骨抜き作業を見せて頂きましたが、古澤先生の華麗な手さばきには僕も含め受講生皆興味津々でした。その後、格付けの仕方やと畜場での工程などを教わり、どのような豚を生産すれば“上”で取引してもらえるのかを確認できたので、受講生にとって有意義な時間になったと思います。なかなか知り得ないと畜場の情報を多く吸収できたことで、僕も“販売”に着目したアドバイスが心掛けられるようになりました。

 

そして今回の養豚大学校をもって第1期生は修了式を迎えました。最後のカリキュラムである総合討論・反省会では受講生のみなさんが堂々と発表をしていました。その姿は第1回の自己紹介の時のような自信のなさそうな姿勢は無くなり、今後の養豚業界を引っ張っていくんだという気概にあふれていました。その姿に僕も立場は違えど目標とする養豚業界の発展のために、もっともっともっと勉強して農家さんに情報提供していかなければいけないと、大きな刺激を受けました。

 

寒い日が続いておりますがみなさんどうぞお体に気を付けて。

来年もどうぞよろしくお願いします。

 

()サミットベテリナリーサービス

 

渡部 佑悟


※カット実習の様子

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JASVブログ第212回

こんにちは、豊浦獣医科クリニックの古川誠です。毎年のように繰り返し言っているような気もしますが、今年もあと残り1ヶ月あっという間の1年でした。この「若手養豚獣医師 涙と笑いの奮闘記」で投稿をスタートしたのがちょうど1年前の11月末。毎回〆切と悪戦苦闘していますが(そして〆切をオーバすることも多々ありましたが…)なんとか脱落することなく年内最後の投稿を書かせていただいています。来年は〆切を守りつつ(←重要)、養豚界のことを少しでも知っていただけるような投稿を心掛けたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

 

さて先日の話なのですがクリニックから一昨年に続いて再びアメリカで研修をする機会を与えられました。研修の目的は栄養学。常日頃自分の栄養学の知識の乏しさに愕然としつつ、しかし何をどう勉強していいかもどかしさを感じていたので出発前からとても楽しみにしていました。講師は養豚栄養学の権威であるイリノイ大学のHans Stein教授。1週間という短い期間でしたが、Stein教授が基礎から講義をしてくださったおかげでだいぶ頭の中が整理されたような気がします。もちろんこれで栄養学はバッチリという訳にはいきませんが、教わった講義内容を足掛かりに少しでも栄養学に関して理解を深めることができたらと思います。

いっしょに講義を受けたメンバ(あかばね動物クリニックの水上先生もいらっしゃいました)もとても仲が良く、楽しく1週間過ごすことができました。全員養豚業界に携わってはいるものの仕事の内容が異なっていたため、お互い情報を交換することができ有意義な時間を過ごすことができました。

 

講義以外に印象に残ったのは屠場見学です。訪れた屠場はTemple Grandinという著名な動物学者の手による設計で、極力豚にストレスを与えないことをコンセプトとしており、さまざまな工夫が随所に見てとれました(具体的な設計思想などに関してはTemple Grandin本人のサイトに詳細が書かれています。http://www.grandin.com/)。

確かに豚はほとんど騒ぐことなく穏やかに過ごしていたのが印象的でした。

 

1週間の滞在を終えて無事帰国することができたのですが、それからほんの数日後11月としては異例の大寒波がアメリカを襲い、ハワイを含む全州で氷点下を記録(偶然ですがハワイでは大寒波とほぼ同時期にPEDの初感染が認められました。

 http://www.wattagnet.com/PED_virus_spreads_into_Hawaii.html)、国土の半分以上が積雪に見舞われたというニュースが報じられました。

もし数日帰国が遅れたら…とゾッとした2014年アメリカ研修でした。