JASVブログ第229回

 

みなさんこんにちは。豊浦獣医科クリニックの古川誠です。毎日暑い日が続きますね。暑さに弱い私にはつらい時期が続きます。豚より先に熱射病で倒れないように気を付けないといけないなと思いながら仕事をする毎日です。

 

さて今回は趣向を変えて私の趣味の話を。私は落語が趣味のひとつでiPodには落語をたくさん詰め込んで電車などの移動時間によく聴いています。休みの日に時間がある時は東京に出て寄席で生の落語を聴くこともあります。寄席に行くと感じるのですが、やはりライブはいいものです。関西生まれの私にとって、大阪が東京に負けているなと感じるのは、富士山が肉眼で見れること、そして寄席の数が多いこと(東京4軒、大阪1軒)で、この2点はどう逆立ちしても東京には勝てないという気がしてなりません。

この記事を読んでいる方で寄席に行ったことがある方はどれくらいいるでしょうか?「いらっしゃい!」という威勢のいい声に背中を押されて木戸をくぐるとそこはもう江戸の世界。行ったことがないという方はぜひ一度足を運んでいただいてその雰囲気を味わっていただけたらと思います。

 

寄席は通常昼夜2公演で構成されます(昼夜入れ替えなしの寄席も!)。昼夜合わせておよそ20人前後の落語家さんが出演するのですが、寄席のルールとして、“前の人がやった演目は同じ日にはやらない”というものがあります。つまり20人落語家さんが出演すれば、その日口演された演目の数は20ということになります。

1日粘って寄席にいると、自分が獣医師だからでしょうか、20近い演目のうち動物が出てくる話が実に多いことに気が付きます。

寄席でもっとも演じられる演目のひとつである「牛ほめ」は文字通りラストに牛が出てきます。話の内容は知らなくてもタイトルくらいはどこかで耳にしたことがあるでしょう、「目黒の秋刀魚」はこれも秋刀魚が重要なモチーフになっています。

 

落語に出てくる動物と聞いて真っ先にイメージするのは狐と狸という方が多いかもしれません。しかしこの両者を比べると、なぜか狸をモチーフにした作品が多いように思います。

「たぬき」「狸賽」「狸札」「権兵衛狸」「狸の鯉」「狸の恩返し」…対する狐の出てくる演目というと「王子の狐」くらいでしょうか(王子はPrinceではなく、現在の東京都北区王子)。同じ人を化かす動物なのにこの差はどこから来るのか不思議な気がします。

 

現代でもっともポピュラな動物である犬と猫はどうでしょうか。

実はこれも猫の出てくる演目が圧倒的に多いのです。「猫の災難」「猫久」「猫と金魚」「猫の皿」「猫忠」「猫の恩返し」…犬の出てくる演目はというと「犬の目」「元犬」くらいでしょうか。従順な犬よりも、気まぐれな猫をキャスティングしたほうが山あり谷ありの展開になって聴いているお客さんを飽きさせないということかもしれません。

 

養豚獣医師としてはやはり豚の出てくる演目があるかどうか気になるところです。

大阪の落語で「池田の猪買い」という演目がありますが、残念ながら豚が出てくる演目はありません。ただし、これは江戸時代から受け継がれてきた“古典落語”に限っての話。落語家さん自ら脚本を書いて演じる、いわゆる“新作落語”では豚が出てくる演目が(私が調べた限り)2つあります。

ひとつは奇想天外な新作落語で人気の三遊亭白鳥作「任侠流れの豚次伝」。

そしてもうひとつはテレビでもおなじみの桂文枝作「考える豚」。

このうち「考える豚」は、“何のために生まれてきたんだろう、俺はハムになりたくない!”と悩み、ダイエットに励む豚が主人公です。そしてなんとこの「考える豚」には獣医師が登場します。普段われわれ養豚獣医師は豚にいかに餌を食べさせ、効率よく大きくなってもらうのに苦心する毎日です。“太りたくないからダイエットする!”という豚に対し、我々の仲間である獣医師はどう対応するのでしょうか。この演目はCD化されていますので興味のある方はぜひ一度聴いてみてください。

 

JASVブログ第228回

JASVブログ

 

みなさんこんにちは!()サミットベテリナリーサービスの渡部 佑悟です!

じめじめとした梅雨空が続きましたが、一変して猛暑日が続く今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか。日中は気温が上がりますが、朝晩など急に気温が下がると下痢や肺炎などの症状が増える傾向があるので注意が必要です。

 

さて僕は先日、稼働母豚数100頭規模の農家さんが1日留守ということで、代わりに豚の世話をしてほしいとの依頼を受け、1日農場長をさせて頂きました。

入社してから半年間農場研修で世話をした経験はありますが、一人で養豚場を任された経験はありませんでした。豚の健康状態の観察や換気コントロールの操作方法などは判断がつくのですが、実際に作業に当たるのは非常に大変でした。

当日を迎える前に農家さんから一通り教えて頂いていたのですが、実際世話をするとなると、給餌ライン、スクレーパースイッチの場所、カーテンの調節方法、給餌ホッパー、ストールのクセ、豚の性格等、現場に入らなければ分からないことが沢山出てきました。普段は農場コンサルする立場でありますが、養豚業に関し熟知するには実際こうした経験も必要であると感じます。

 

特に困ったのは、夕方の一般管理をしている際、妊娠舎の母豚がストールを破壊し、豚舎内で歩き回り、給水管を3本も破損してしまったことです。

ここで以下のような問題が出てきました。

Ⅰ:水を止めるための元栓の位置が分からない

Ⅱ:破損した水道管の修理方法が分からない

Ⅲ:給餌器に水を溜めておく方法が分からない

Ⅰについては水道管を辿って元栓を見つけました。Ⅱについては農家さんが帰ってくるのを待つことにしました。

Ⅲについては1人バケツリレーですべての給餌器に水を溜めることにしました。規模はそれほど大きくない農場ですが、①バケツに水を溜める ②移動する ③給餌器に水を入れる という作業を繰り返すとあっという間に時間が過ぎて1時間以上かかりました。

夕方になり、農家さんが帰ってきたときは一安心しました。

こうして農家さんは毎日豚の健康管理に気を遣いながら、様々な機械や豚舎のトラブルにも対応しなければならないのだと、現場管理の大変さを改めて感じました。また、養豚場を構成する資器材についてもっと理解を深め、修理方法も勉強しなければならないと感じました。このような機会を与えて頂いて大変嬉しく思います。

()サミットベテリナリーサービス

 

渡部 佑悟