JASVブログ第275回

みなさんこんにちは!()サミットベテリナリーサービスの渡部 佑悟です!

今回は、先日のJASV年次大会で発表した「農場HACCPJGAPの取組事例」について概要を話したいと思います。

 まずHACCPとは、Hazard Analysis Critical Control Pointの頭文字をとったものです。農場HACCPは生産される畜産物の安全性の確保、及び生産性の向上を図るためのもので、危害要因の分析・評価(HA)を行い、個々の農場の状況に応じた一般的衛生管理プログラムや必須管理点(CCP)を決め、適切な飼養衛生管理に取組むものです。それに対してJGAPは、日本および東アジア・東南アジアの農場に向けて、安全な農畜産物の生産、環境に配慮した農業、農業生産者の安全と人権の尊重、適切な販売管理を実現するための手法として開発されたものです。これらの認証取得に生産者とともに取り組んでいる中で感じた課題と、養豚管理獣医師が構築支援する有効性について話します。

まず生産者が農場HACCPJGAPに取り組むことによって、第三者認証により畜産物の安全性が担保されることや、農場管理の向上、従業員のモチベーション向上、生産成績の改善が得られます。しかし農場HACCPJGAP構築時に現場から挙げられる一般的課題としては、①書類作成に時間がかかる割に、効果が分からない。②書類を作るだけで終わってしまう。③書類と現場が乖離してしまう。④書類を作る目的が分からない。⑤スタッフに浸透しない。⑥ゴールが見えない。などの意見が聞こえており、農場HACCPJGAPに取り組む際の障害になっていると感じます。①から④は指導員が養豚現場を良く知らないことから起こります。農場HACCP認証基準やJGAP適合基準を網羅するように書類作成することは指導員研修に参加すれば出来ることですが、それを生産者が実際の作業に活かせる書類にするためには、養豚場での指導経験や、養豚場内での作業経験が必要になります。⑤や⑥に関しても指導員が養豚場を良く知らないことから起こりますが、それに加えて、指導員と生産者との綿密なコミュニケーションが取れていないことや、構築計画自体に無理があることによって起こります。現場スタッフの1日作業量や能力、そしてモチベーションを把握せずに構築計画を組んでしまうと、「計画倒れ」に陥ってしまう可能性が高くなります。

養豚場が農場HACCPJGAPの認証を取得するに当たり、その養豚場を良く知る養豚管理獣医師が構築指導を行うことが重要だと感じます。養豚管理獣医師は養豚場内部の生産工程への理解も深く、改善指導も行っているため、農場HACCP認証基準、JGAP適合基準を満たしながら、生産改善のアドバイスが出来ます。さらに養豚管理獣医師は、構築に関わる従業員の1日作業量と能力についても把握しているため、「計画倒れ」に陥る可能性を減らすことが出来ます。

農場の工程や作業、さらには従業員の能力まで把握している養豚獣医師が関わることで、書類作成などの構築に関わる努力を有効に農場運営に活かし、さらにメリット(利益)に変えることが出来るでしょう。     


(有)サミットベテリナリーサービス

渡部 佑悟

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