JASVブログ 第277回

 皆様こんにちは、イデアス・スワインクリニックの早川です。前回の投稿(実は2年前…)からだいぶ間が空いてしまいましたが、その間実に色々な変化がありました。ASFの世界規模での拡大、CSFの国内発生、そしてヒトにおける新型コロナウイルスの発生。目に見えない最小の生命体であるウイルスによって、世界の輪郭が変えられていくのを目の当たりにさせられる2年間になってしまいました。


 特に新型コロナウイルスの感染拡大がもたらした変化、突きつけた現実は、人命に直結するだけに、様々な社会的ひずみを表出させる非常に重いものでした。これまでやってきたことは正しかったのか、これからどうなるのか、誰もが思案の中に立たされていると思います。その中で今回私が個人的に思ったのは、「自分の仕事が食料の生産に関わるものでよかった」ということでした。社会の在り方がどれほど変わっても、人が生きていく上で食料は必要である。おいしくて、安全で、安く手に入る食料は、絶対的に人を救う。そう思うと、腰が据わったように落ち着いて日々を過ごすことができました。もちろんこれまでとは異なるロジックと行動が求められるのは養豚現場も同じであり、特に生産フローの洗練とスマート技術の活用は感染拡大防止やいざというときの経営持続に繋がるため、加速的に進めていく必要があると思います。


 さて、コロナ禍がもたらした最も大きな功罪の、「功」の一つは、なんと言ってもウェブミーティングの浸透だったと私は思っています。視覚情報・・・それも画像ではなく動画を共時的に共有することが可能になったのは、本当に大きなことですね。ヒトの意識や認識を形成する元になる情報として視覚情報に勝るものはなく、静止画より動画の方がはるかに情報量が多いのは言うまでもありません。百聞は一見に如かず、一見は百見に如かず、です。


 先日、なかなかPEDが収束しないで困っていた農家さんで、徹底的に図を駆使してPEDの勉強会を実施し、その後対策を話し合い実施したことで、PEDをきれいに収めることに成功したところがありました。目に見えないPEDウイルスがどうやって子豚に感染し、増殖し、下痢を起こし、死に至らしめ、人や物を媒介して広がるのか、また乳汁免疫がどのように子豚をウイルスから守るのかを、スタッフの皆さんがイメージできることを目指して勉強会資料を作成しました。私の方からは大まかな対策しか示さなかったのですが、社長さんはじめ農場のスタッフがどうしたらウイルスを増やさないで済むか、持ち歩かないで済むかを考え、非常に具体的な行動に落とし込み、皆さんでそれを徹底的に実行してくれた結果でした。正しい知識は、個人のレベルで正しい判断と行動をもたらす。感染症や自然災害、社会問題など、何が起きるかわからない今、何を寄る辺とすべきかを示してくれた一件でした。これからも正しい知識とその伝達技術を高めていきたいと思います。








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