JASVブログ第274回

皆さま、ご無沙汰しております。

サミットベテリナリーサービスの数野由布子です。


ご挨拶が遅くなりましたが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

ついに平成が終わり、新しい元号を迎えるカウントダウンが始まりました。

平成生まれの私としては、自慢できるものがなくなってしまいます笑


さて、今回は昨年11月に2週間にわたり行ってきましたオランダでの研修についてお話したいと思います。

1週目はオランダの養豚事情を始め、飼料について、遺伝改良についてなどをマンツーマンでご指導いただきました。また、オランダの開業獣医師のクリニックへも連れて行っていただきました。

2週目は、日本養豚事業協同組合のツアーに合流し、農場訪問をメインに過ごしました。その中で特に印象的だったのが、少ない人数でいかに効率的に働くかということが重要視されている点でした。

日本では一貫農場の場合、母豚50頭あたりを1人で管理するのが平均になっていますが、オランダの農場の中には母豚500頭の一貫農場を1.5人で管理している農場もありました(ただし、輸送関係は外部に依頼しているため、基本的には豚の管理のみを行っています)。


オランダでこのように少ない人数で農場管理をしている背景には、豚価が安く人件費が高いため、そもそも人手をかけられないということが挙げられます。そういった背景の中、少ない人数での管理を実現できている理由、日本との違いについて、以下のように感じました。


まず、オランダでは日本と異なり、多くの生産者が同じ供給元の種豚を飼養していますが、その種豚は遺伝改良が進んでおり、繁殖成績が高いことが特徴です。多産系母豚であるため産子数が多いことはもちろんですが、生まれてくる子豚の生時体重が小さ過ぎず揃っている、母豚の泌乳力が高い、乳頭数が多いなど、母豚の特徴に関する遺伝改良の結果、管理の手間が少なくてすむことが挙げられると思います。


その他、豚の移動がしやすい豚舎構造になっていて移動作業が多くないこと、子豚出荷や一貫農場が多く農場のサイトが分かれていないことも挙げられますが、農場サイトを分けなくてもよいのには病気の問題が少ないという特徴があることを考慮しなくてはいけません。


また、日本のように野帳に手書きしたものをエクセルに入力するなどの作業の手間がなく、記録するための端末があり入力したデータはすぐに豚舎内のwifiを使って送れたり、バーコートをスキャンするなど記録システムが整っていました。これにより、手間なく詳細な情報を記録でき、それを管理に活かすことができていました。


より少ない人数で同じ頭数の母豚を管理するためには、単純に人手を減らせばいいというわけではありません。効率よく動ける豚舎、移動の手間の少ない豚舎および農場配置、病気の撲滅やコントロール、必要作業の見直し、そして計数管理・豚舎管理システムの整備が必要だなと感じました。


㈲サミットベテリナリーサービス 数野由布子


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posted by JASV at 22:30Comment(0)日記

JASVブログ第273回

こんにちは。豊浦獣医科クリニック(TVC)の田村です。

今年の猛暑が明けて、秋一色、地域によっては雪も降る季節となってまいりました。

個人的に一番好きな季節が秋で、暖色に満たされた紅葉の中の散策が毎年の楽しみです。ずっとこの景色が続くといいなと思うのですが、秋というのはアッという間で、気づけばすぐ師走。すぐ年末年始。なんだかさみしくなる季節でもあります。みなさんはどの季節が一番お好きですか?


少し前の話になりますが、一般社団法人 日本養豚協会(JPPA)主催の日本養豚大学校のお手伝いをさせていただく機会をいただいたので、そのご報告をしたいと思います。今までも養豚大学校はJASVの若手獣医師が勉強も兼ねてお手伝いをさせてもらってきましたが、やっと私にもお手伝いと勉強をさせてもらう幸運な機会が巡ってきました。

日本養豚大学校の概要については下記の通りです。


「日本養豚大学校」は第一に、そこに学ぶ者が「養豚産業」の日本の社会における存在意義と責任を十分に理解し、自らの仕事に誇りをもてるような“哲学”の共有をめざして設立し、20139月に開校致しました。”(JPPAホームページより)


今開催で第5回となり、1スクール3日ずつ、5,7,9月の3期に渡り開催されました。

今年のメニューの概要は下記の通りです。

・第1スクールでは養豚人としての心構えや豚のハンドリングや体型管理、種豚や繁殖の基礎知識

・第2スクールでは栄養学やバイオセキュリティ、解剖、豚舎環境制御や糞尿処理などの各論

・第3スクールでは食肉センターや食肉大学校での肉加工について+最終課題

合計で9日間にわたるスクールではかなり濃い内容の講義が盛りだくさんでしたが、みなさん熱心に講義を聞き、質疑応答も活発に行われていたことがとても印象的でした。

募集対象者は就業後半年以上、5年以内の後継者や従業員が優先募集ということで、若手後継者や従業員の方が多く参加されていました。中には10年以上の勤続経験のある方もいて、グループディスカッションではかなりレベルの高い会話が繰り広げられていました。

弊社(TVC)の初級講座の卒業生の方も何名か参加されていて、いくつかの常連農場ではTVC初級講座→養豚大学校という研修ステップがあるようです。

講義の内容もさることながら、他の養豚場で働いている人たちとの情報交換ができる機会であり、毎晩のようにディスカッションの延長戦が繰り広げられており、得た情報を早く持ち帰って試してみたいという気持ちがあふれていて、一緒にいるだけでワクワクしました。私自身もこの気持ちをずっと持ち続けていきたいなと思いました。

卒業生が社長や場長クラスになっているころに私はどうしているかなあと思いつつ、次会う時に恥ずかしくないように、養豚獣医師として精進していきたいと思います。

最後に、このような貴重な機会を与えてくださったフォーラム22(企画運営)の中村節子様、岩田寛史様および一般社団法人日本養豚協会様そして、TVCの業務を抜けだして今回のお手伝いを応援してくれたTVCの皆様にもこの場を借りて改めて感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

posted by JASV at 09:31Comment(0)日記

JASVブログ第272回

皆様こんにちは、(株)ピグレッツの平石です。


暑い夏が過ぎて、過ごしやすい日々となりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。私自身も最近ようやく夏バテから解放されるようなったと思います。


 今年の夏は私の住んでいる東日本も平均気温が平年比+1.7℃となり気象庁の発表によると、1946年の統計開始以降東日本において最も暑かった夏とのことでした。


 今年の夏は例年以上の猛暑とのことで、クーリングパッドやドリップクーラー、送風ダクトで対応しても種付けストールの母豚の食欲不振や死亡、肥育豚の出荷遅れなど多くの問題が認められたように思います。猛暑が過ぎ、上記の問題も徐々に少なくなると思いますが、今年の教訓を活かし今後起こり得るであろう異常気象に対して、少しでも豚が快適だと思える環境を作る努力をしたいと思います。


 また、9月には岐阜県の養豚場において、清浄国である日本で26年ぶりとなる豚コレラの発生が認められました。9月28日には搬出制限区域が、10月9日には移動制限区域の解除が実施されましたが、豚コレラの日本への侵入経路は未だ解明されていません。そこで、早急な豚コレラの侵入経路等の原因解明を願うと共に、引き続き千葉県においても飼養衛生管理の徹底や早期摘発のための監視の強化に万全を尽くしていきたいと思います。


終わりに、今回の豚コレラで被害に遭われた農家の皆様ならびに関係者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

posted by JASV at 22:32Comment(0)日記