JASVブログ第264回

 こんにちは、あかばね動物クリニックの水上です。


 現在、韓国では冬季オリンピックが開催されています。時差がそれほどないため、生放送を見ても夜更かしすることはなさそうです。あまり縁がないスポーツでも自国の選手は応援したくなりますね。オリンピックは冬季と夏季があり、2020年は東京で開催されます。プレゼンテーションで使われた「OMOTENASI」が流行語になったのは2013年ですから、東京オリンピックもあっという間にやってきそうですね。


2020年は教育現場で一つの改革があります。それは小学校でプログラミング教育が必修化されるというもので、世界各国ではすでに進められています。日本のITエンジニア人口は2014年時点で84万人とまだ少ないです。しかしながら、直近の生産年齢人口は6500万人、全体としては減少傾向にあるなかでも増加傾向にある分野であるため必要性が高まっています。話は変わりますが、生活に必要な教育として「読み書き算数」があります。一般教養であり、生きていく上で必要なものだからです。そこに「プログラミング」が必要になるとも考えられています。専門的にプログラミングができる人を育てるのではなく、誰もが、例えば養豚に携わっている人が当たり前のようにプログラミングができることを想定しているようです。アジア、アフリカを除いて少子高齢化が進む中、人工知能やアプリケーションを用いた労働が必要になってくるでしょう。


 同じ畜産分野である酪農業では着実にIT化、機械化が進んでいます。数十年前の酪農は、1軒に数頭だけ搾乳牛がいて、人が手搾りでバケツに牛乳を搾るというものでした。それが乳牛の性能向上により乳量が増加するとともに、大規模化していく中でフリーストールやフリーバーン、いわゆる群管理にシフトしていきました。ミルキングパーラーと言う搾乳専用の場所を設けることで作業が効率化、一人当たりの管理可能頭数は増えていきました。それでも人手は不足し、外国人研修生の就労割合が増えてきています。最近では出向元の国の経済発展などに伴い人材確保が難しくなっているとの話も聞きます。そこで注目されているものがロボット搾乳です。

 ロボット搾乳とは、その名の通り機械が自動で牛から乳を搾ってくれるものです。言葉にすれば簡単ですが、衛生的な牛乳を搾乳し、乳牛自身も乳房炎にならないように管理するため、何段階もの作業工程が組み込まれています。導入件数はまだ少ないながらも、大規模農場では検討されています。

 スマートフォンなどを媒体としたアプリケーションによる管理も進んでいます。主に繁殖、出荷、疾病管理などをクラウド管理しています。それまでは紙ベースであったものをデータ管理することで、集計・統計による問題点の抽出ができるようになってきています。使い方によっては大きな改善効果があると考えられます。


 養豚業界でも新しい設備やアプリが製品化されています。作業の効率化も大切ですが、新しいことに取り組み、楽しく管理することも大切だと思っています。

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JASVブログ第263回

みなさんこんにちは!()サミットベテリナリーサービスの渡部 佑悟です!


新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

昨年12月、アメリカカンザス州にて研修する機会を頂きましたので、今回は、簡単な報告とさせていただきたいと思います。

今回のアメリカ研修では豚の飼養方法などについては触れず、餌に関する基本事項や、最新の研究結果について学習しました。最近の研究結果として紹介されていたことは、肥育豚における飼料中リジンの影響が、品種によって異なるということです。そのため、飼料と品種、環境などを考慮した総合的なコントロールが必要ということを学びました。また、原料の栄養価に関しては、日本とアメリカではそれぞれ日本飼養標準、NRCという資料がありますが、原料に含まれる成分は厳密には産地によっても異なり、アメリカ産大豆は他国に比べて、エネルギーや含まれている総リジンの含量が高いことが特徴として挙げられていました。これは大豆の育成環境だけでなく、搾油工場での加工技術、その後の保管技術や輸送手段が大豆の品質を損なわないように調節されていることが理由だそうです。

アメリカの飼料形態は地域によって異なり、マッシュを選択するのは、原料が安く得られるアメリカ中西部の養豚場が多く、原料代が高いアメリカ南東部の養豚場では飼料効率を重視してペレットを選択する農家が多いと聞きました。ここにアメリカらしさを感じたのですが、アメリカの農業は費用対効果を厳密に計算しています。養豚農家はペレット加工にかかる費用増加分と、それによる効果を厳密に計算し、利益を増やせるように選択しています。栄養成分に関しても、飼料中のリジンやエネルギーなどの栄養価を増やすことが豚の要求率、増体重改善に役立つことが分かっていても、そこにかかる費用と効果(利益)を計算します。

このように、アメリカの農業の基本は費用対効果の厳密な計算の上に成り立っています。飼料についても養豚農家が栄養学を勉強して良く理解していました。日本では飼料についてはCP値とTDNと価格で議論する傾向がありますが、その中身までよく理解し、飼料会社と協力して同じ目線から議論できることが、双方にとって有益な関係を作る助けになると思います。私も、今回アメリカで学習したことを現場に活かしていきたいと思います。

最後に、今回のアメリカ研修でお世話になりましたアメリカ大豆協会の皆様に深く御礼申し上げます。


()サミットベテリナリーサービス

渡部 佑悟

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JASVブログ第262回

 皆様こんにちは、イデアス・スワインクリニックの早川です。

 今日は20171231日。今年も最後の日を迎えました。毎年思うことですが、1年て早いですね!そして年々そのスピードが上がっている気がします。


 今年は、国内で特段大きな疾病の発生が無く、その点は良かったと思います。かと言って疾病が無かったわけではありません。中でも一番大きな問題となったのは、やはりPRRSです。千葉県北東部では、今年の初めにPRRSの地域的な流行があり、複数の農場で長期にわたって母豚も肉豚も多大な被害が出ました。この流行とは直接関係ない農場でも、PRRSの被害から無縁ではいられなかったのは、言うまでもありません。やはり、優先的に対策しなければならない疾病の筆頭でしょう。


 他所でも書いていますが、2017年は私の地元である千葉県旭市にとって大きなスタートを切った年でした。旭市内に存在していた複数の養豚組合が統一され、旭市養豚推進協議会が成立したのです。私がもともと所属していた干潟地区養豚組合の春の総会は、そんなわけで解散総会になりました。私は組合顧問の末席を汚す身としてその場に参加させていただきましたが、改めてこの組合の歴史と未来を思い、一人胸を震わせたのを今でも覚えています。組合が力を入れてきた地域防疫の一層の発展のために、様々な事情を乗り越え、それぞれの組合の歴史と特色を脇へ置き、旭が本当の意味で一つになろうという明るい未来を見据えたこれ以上にない良い解散総会でした。このような場に居合わせたことは、私にとって幸甚でした。思えば、干潟地区養豚組合は、私が養豚管理獣医師として旭でスタートを切ったときからすぐ傍らにあり、同時にその内側で地域の一員としての役割を常に問われて来たのです。このような環境は、私の中に地域防疫の考え方の土台をしっかりと形作るとともに、養豚管理獣医師としてのアイデンティティのようなものを育ててくれました。

 旭市の養豚家たちの新たな門出を祝福するかのように、2017年から、地域豚疾病緊急対策推進事業が始まり、旭市ではPRRSコントロールプロジェクトが始動しました。この事業もあり、これまで同じ旭市民でありながら一度も顔を合わせたことのなかった生産者同士が顔を合わせたり、私自身初めての農場にお邪魔する機会を得たり、新たな出会いがたくさんありました。同じ旭市でも、規模も異なれば種豚も異なる、密集地帯から少し離れれば疾病の状況もまるで異なってくる、さらにはモノの考え方もまるで違う・・・・・その多様さは、新鮮な驚きを覚えるほどでした。この地域のことを知った気でいたけれど、まだまだ知らないことがたくさんある、そしてそのこと自体が、この地域の新たな可能性に直結していると思えました。


 そんなわけで、2017年は地元旭で大きな変化のあった1年でした。来年は、この変化を発展させ、地域としても個人としても、目に見える形で結果を残したいと思います。

ついつい地元のことばかり書いてしまいましたが、皆様はどんな1年を過ごされましたでしょうか。そして新しい1年に、どんな未来を描かれるでしょうか。願わくば、明るいチャンスが皆様の元に訪れますように。お祈りして、今年最後のJASVブログとさせて下さい。皆様よいお年を!


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