JASVブログ第273回

こんにちは。豊浦獣医科クリニック(TVC)の田村です。

今年の猛暑が明けて、秋一色、地域によっては雪も降る季節となってまいりました。

個人的に一番好きな季節が秋で、暖色に満たされた紅葉の中の散策が毎年の楽しみです。ずっとこの景色が続くといいなと思うのですが、秋というのはアッという間で、気づけばすぐ師走。すぐ年末年始。なんだかさみしくなる季節でもあります。みなさんはどの季節が一番お好きですか?


少し前の話になりますが、一般社団法人 日本養豚協会(JPPA)主催の日本養豚大学校のお手伝いをさせていただく機会をいただいたので、そのご報告をしたいと思います。今までも養豚大学校はJASVの若手獣医師が勉強も兼ねてお手伝いをさせてもらってきましたが、やっと私にもお手伝いと勉強をさせてもらう幸運な機会が巡ってきました。

日本養豚大学校の概要については下記の通りです。


「日本養豚大学校」は第一に、そこに学ぶ者が「養豚産業」の日本の社会における存在意義と責任を十分に理解し、自らの仕事に誇りをもてるような“哲学”の共有をめざして設立し、20139月に開校致しました。”(JPPAホームページより)


今開催で第5回となり、1スクール3日ずつ、5,7,9月の3期に渡り開催されました。

今年のメニューの概要は下記の通りです。

・第1スクールでは養豚人としての心構えや豚のハンドリングや体型管理、種豚や繁殖の基礎知識

・第2スクールでは栄養学やバイオセキュリティ、解剖、豚舎環境制御や糞尿処理などの各論

・第3スクールでは食肉センターや食肉大学校での肉加工について+最終課題

合計で9日間にわたるスクールではかなり濃い内容の講義が盛りだくさんでしたが、みなさん熱心に講義を聞き、質疑応答も活発に行われていたことがとても印象的でした。

募集対象者は就業後半年以上、5年以内の後継者や従業員が優先募集ということで、若手後継者や従業員の方が多く参加されていました。中には10年以上の勤続経験のある方もいて、グループディスカッションではかなりレベルの高い会話が繰り広げられていました。

弊社(TVC)の初級講座の卒業生の方も何名か参加されていて、いくつかの常連農場ではTVC初級講座→養豚大学校という研修ステップがあるようです。

講義の内容もさることながら、他の養豚場で働いている人たちとの情報交換ができる機会であり、毎晩のようにディスカッションの延長戦が繰り広げられており、得た情報を早く持ち帰って試してみたいという気持ちがあふれていて、一緒にいるだけでワクワクしました。私自身もこの気持ちをずっと持ち続けていきたいなと思いました。

卒業生が社長や場長クラスになっているころに私はどうしているかなあと思いつつ、次会う時に恥ずかしくないように、養豚獣医師として精進していきたいと思います。

最後に、このような貴重な機会を与えてくださったフォーラム22(企画運営)の中村節子様、岩田寛史様および一般社団法人日本養豚協会様そして、TVCの業務を抜けだして今回のお手伝いを応援してくれたTVCの皆様にもこの場を借りて改めて感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

posted by JASV at 09:31Comment(0)日記

JASVブログ第272回

皆様こんにちは、(株)ピグレッツの平石です。


暑い夏が過ぎて、過ごしやすい日々となりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。私自身も最近ようやく夏バテから解放されるようなったと思います。


 今年の夏は私の住んでいる東日本も平均気温が平年比+1.7℃となり気象庁の発表によると、1946年の統計開始以降東日本において最も暑かった夏とのことでした。


 今年の夏は例年以上の猛暑とのことで、クーリングパッドやドリップクーラー、送風ダクトで対応しても種付けストールの母豚の食欲不振や死亡、肥育豚の出荷遅れなど多くの問題が認められたように思います。猛暑が過ぎ、上記の問題も徐々に少なくなると思いますが、今年の教訓を活かし今後起こり得るであろう異常気象に対して、少しでも豚が快適だと思える環境を作る努力をしたいと思います。


 また、9月には岐阜県の養豚場において、清浄国である日本で26年ぶりとなる豚コレラの発生が認められました。9月28日には搬出制限区域が、10月9日には移動制限区域の解除が実施されましたが、豚コレラの日本への侵入経路は未だ解明されていません。そこで、早急な豚コレラの侵入経路等の原因解明を願うと共に、引き続き千葉県においても飼養衛生管理の徹底や早期摘発のための監視の強化に万全を尽くしていきたいと思います。


終わりに、今回の豚コレラで被害に遭われた農家の皆様ならびに関係者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

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JASVブログ第271回

 こんにちは、あかばね動物クリニックの水上です。


 西日本豪雨から約1カ月経ちました。この災害では中四国、九州および北陸の広い範囲で多大な被害が発生し、多くの犠牲をだしました。この豪雨は激甚災害として認定されました。亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。

 その後、本州を中心とした連日の猛暑日が続いています。例年より梅雨明けが著しく早く、それにより夏がさらに長引くと推察されます。熱中症で救急搬送された方も多数見えます。農場現場での作業は涼しいところとは限りません。十分な休息とこまめに水分補給をして、無理をしすぎないようにしましょう。


 さて、7月20日に日本養豚開業獣医師協会の活動報告会および記念講演が開催されました。今回の記念公演は広島大学の島田先生による「精子運動性の基礎研究から繁殖技術の開発」。題名の通り、人工授精に深くかかわる内容でした。

研究と言うと現場とは程遠く、対極にあるように感じることさえあります。ですが臨床現場で用いられている技術の多くは、基礎研究の積み重ねから生まれてきたものが多いことも事実です。今回発表された内容は現場に即したものでした。

お話の中には精子の運動性について新しい知見が多数含まれていました。私の中で特に印象に残ったこととしては、精漿に含まれている様々な物質の量によってその後の精子活性に大きな影響を与えるということです。過去の検査では一つの物質を1回ずつ分析しなければならなかったものが、現在では複数の物質を同時に高感度で分析できるようになってきています。

私も大学生の頃、卒業論文のために実験をしていました。過去の研究や現場から結果は推測出来ても、最終的な結果は分らないのが研究です。時間と労力を必要とする実験を繰り返さないとその結果も導き出せません。大学や民間の研究者の方々は、卒業論文とは比べられないほどの、複雑かつ綿密な研究によって新たな技術や商品の開発に寄与しています。

日本の科学研究が失速していると多方面から言われています。それでも養豚の現場的な研究をされている方々は周りに何人もいらっしゃいます。そこから得られた知見が現場で使われるかどうかは、最終的には現場での判断になります。またフィードバックすることで、研究が次のステップへ向かいます。より現場的な技術を求めるのであれば、現場の声を研究および開発へ伝える、意見のキャッチボールをしていきましょう。

posted by JASV at 11:19Comment(0)日記