JASVブログ第247回

 こんにちは、あかばね動物クリニックの水上です。


 リオデジャネイロオリンピックとパラリンピックが終わりましたね。日本人選手の活躍が連日報道され、映像を見たり結果を聞いたりするだけで、エネルギーを分けてもらいました。全てのスポーツで言えることですが、超人的な動きには目を見張ります。動きを真似しようものなら、まず翌日動けなくなりそうです。


 先の話ですが、4年後には日本で東京オリンピックが開催されます。多方面での準備が進んでおり、少しずつ実感がわいてきます。愛知県田原市でも競技の一つ、サーフィンを誘致しようと“のぼり”が立っています。

2016-09-17 10.20.31.jpg


オリンピックは“スポーツの祭典”ともいわれ、世界各国の一流の選手が一堂に集まります。そして、様々な宗教や文化圏の方々が一堂に会するため、近年のオリンピックでは食事についても十分な配慮がされています。そのため提供される食材については安全性+αが求められます。前回のロンドンオリンピックではイギリス独自のGAP(農業生産工程管理)であるレッドトラクターの認証が求められ、推奨ではありますがオーガニック認証も求められていました。リオではオーガニック認証や環境あるいは社会基準となる認定(例:地球環境保全に協力的だと認定される)を受けた食材、さらに地元産をできるだけ用いているようです。東京オリンピックでの具体的な基準はこれから決まっていくと思いますが、GAPや農場HACCPといった客観的に安全と言える生産方法が重要視されるのではないでしょうか。

オリンピックは、日本独自の食材や日本の本当の味を、オリンピック選手だけでなく各国のサポーター、布いては全世界に向けて伝えるまたとない機会になります。B-1グランプリとは規模が違いますが、提供された料理の中で評判になったものはその後の展開も楽しみです。

(個人的には愛知の味噌系料理が広まってほしいと思っています、味は濃いです)

posted by JASV at 12:35Comment(0)日記

JASVブログ第246回

 JASVブログの読者の皆様こんにちは。イデアス・スワインクリニックの早川です。
お盆が明けたら急に秋らしくなってしまいました。スーパーには解凍ではない「生」サンマが新モノの価格でパックに仰々しく入って売られ始めましたし、田んぼでは連続して発生している台風の合間をぬって必死に稲刈り作業が行われています。そんな金色の圃場の合間には青々とした背丈の大きな稲の葉が茂っている圃場がだいぶ見受けられるようになりました。そう、飼料米の圃場です。収穫時期が異なるそうで、まだ穂らしきものが見えません。この時期に青々とした田んぼは一種異様で、初めはどっきりしてしまいました。これからはもっと、この時期に青く茂る田んぼが増えてくるのだろうなあと思って見ています。

 例年、稲刈りが始まる時期は、夏の続きのつもりで窓を開けっぱなしにして寝た朝に、のどがヒリヒリと痛むのが気になりだします。のどの弱い娘たちに至っては咳まで出てきます。この、毎年ある時期になると起こる家族ののどの異変に、稲刈りという農作業と関連があるのではと、この辺の湿度の変化と稲刈りの開始時期を調べたことがありました。旭市の稲刈りはお盆明け直後からですが、まさしくこの時期湿度が低下するのを発見し、豚の肺炎が秋口に増えるのも関係があるのだろうと一人で納得したことがあります。それくらい、この地域は田んぼが多いのです。
 空気中の湿度が周辺の田んぼの作業と連動しているのは、稲刈りの時期の乾燥だけではありません。逆のパターンが田植えの時期です。田んぼという田んぼに一斉に水が張られ、夜になるとカエルの大合唱が聞こえる時期、空気中の湿度は稲刈り時期の反対でぐっと上がります。まだ気温はあまり高くない時期ですが、実は湿度はしっかり変化していて、やはり豚の疾病も動きやすい時期と重なります。

 もともと初夏、秋口は大気の状態が冬から夏へ、夏から冬へと変化する時期ではあります。特に私のいる地域は海からの湿った南風、北からの(特に冬は)乾燥した北風にさらされ、気温と湿度の変化は季節によって大きな差があります。ある程度規模のある地方都市では、気象データのログが気象庁のウェブにアップされています。それに基づいていくつかの都市で季節ごとに温度、湿度の変化をグラフ化してみると、場所によってかなり特徴的なパターンが描き出されます。ちなみに、私の地元に一番近い銚子気象台のデータによりますと、この地域の温度・湿度の年間を通じた変化は両者が一緒に変化する傾向がどの地域よりも強く、また両者の最高値と最低値の落差も比較的大きいことがわかりました。千葉県北東部というと一見温暖な地域ですが、実は空気の質の変化には十分な注意が必要で、スマートフォンやインターネットを利用した温度・湿度・風向きの予測をリアルタイムで頭に入れながら管理することの重要性を感じています。

 このように、自分の農場が存在する地域の気象的特徴に加えて、周辺状況(田んぼが多いところなら田植え・稲刈りの時期など)の通年のパターンを頭に入れておくと、疾病の動きに先回りして対策できてくる気がします。とはいえ、いつ発生するかわからない台風やゲリラ豪雨など、どんな経験則も塵の如く吹き飛ばしてくれるのが自然ではあります。今年はすでに台風9号の直撃を我が農場もくらい、2棟ほど青空豚舎になってしまいました。もうこれ以上は荒ぶる神が上空を通りませんようにと祈るばかりです・・・。



posted by JASV at 13:40Comment(0)日記

JASVブログ第245回

皆さまこんにちは。

㈱バリューファーム・コンサルティングの大久保光晴です。

お盆も過ぎ、暑さも和らぐかと思いきや、気象庁の季節予報によるとまだまだ暑い日が続きそうです。暑さ寒さも彼岸までとも言いますが、皆さんくれぐれもご自愛ください。


今回は水について話したいと思います。豚の管理では餌・水・空気(環境)をしっかり豚に提供しなければいけません。皆さんご存知とは思いますが、水は動物にとって不可欠で、栄養失調症よりも脱水症の方がより致命的です。

皆さんの農場では、給水器の水量の目標はどのくらいでしょうか。

30kgまでの豚では600~700ml/分、肥育豚や母豚では1ℓ/分が最低限必要と考えていますが、離乳直後の子豚ではさらに給水皿を設け、1日に数回の給水を実施している農場もあります。

離乳直後の子豚では、体内の水分割合が高く水の要求量が多いので、殆んどの場合、離乳舎に移動しますから、母豚もいない新しい環境での給水は特に重要です。

体内の水分量は、生時直後では約80%、その後成長ともに60%程度に落ち着いてきます(出荷豚の体内水分については諸説あり)。


また給水器の管理をするに当たっては、水圧も重要です。

ところで現在、日本付近に3つの台風がありますが、990ヘクトパスカル(hPa)前後の中心気圧です。豚舎に設置している水圧計の単位は、大抵メガパスカル(MPa)と思いますが、共に圧力の単位であり、1MPa=1000hPa=1,000,000Paとなります。

0.1~0.15MPaの水圧をお勧めしていますが、現場ではそれ以上のことが良くあります。

では、例えば0.1MPaってどんなもの?と言いますと、10mの高さから1cm四方の床に1kgの水を落した力で、実はかなり強い力です。


水の管理は非常に重要で、今回は給水器について触れました。

この機会に皆さんの現場でも今一度、水に関する確認をしてみては如何でしょうか。

posted by JASV at 01:09Comment(0)日記

JASVブログ第244回

こんにちは。サミットベテリナリーサービスの数野由布子です。


初回からあっという間の2回目のブログ更新となりました。

暑い日が続いておりますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?


今回は730日に終了した弊社実施の新人研修についてお話ししたいと思います。

弊社では毎年5月から養豚1年生である新入社員の方に向けた研修を全3回にわたり行っており、私も新人のみなさんと一緒に講義に参加しました。


内容は繁殖、分娩、離乳、肥育の管理方法、病気の概要、豚肉消費の動向、農場HACCPの基礎についてなど多岐に渡ります。

講義後には受講生の方々からたくさんの質問が寄せられました。あげられた質問を少し紹介します。


・早産と流産の違いは? 

・他の国では薬はどれくらい使う?

・なぜ臀部に注射は打たないほうがよい?

・飼料価格と枝肉価格に差がでるのはなぜ?

・初産豚の子豚で下痢が多いのはなぜ?

・ペレット・マッシュ・クランブルの違いは?

・離乳時に去勢するデメリットは?

・再発情はどうやって判断する?

・分娩1か月前の母豚に増し餌をして母豚は太らないのか?


質問はシンプルでありながらも、私自身も考えさせられ、勉強となる瞬間がたくさんありました。


最終回であった730日はメーカーの方々も一緒になり、BBQにて打ち上げをしました。

始球式ならぬ、始刀式を我らが石川先生が行ったスイカ割りは大変盛り上がりました!

BBQの際には勉強会中では聞けなかった受講生のみなさんの豚への思いを聞き、とても刺激的な1日でした。


㈲サミットベテリナリーサービス

数野由布子


(一発でスイカに命中した石川先生の一振り!)

IMG_2081.JPG
posted by JASV at 08:03Comment(0)日記

JASVブログ第243回

みなさんこんにちは!()サミットベテリナリーサービスの渡部 佑悟です!


今年は例年に無い暑さが予想されておりますが、みなさん夏場対策は完了したでしょうか?

一般的な夏場対策としてはファンの設定やクーリングパッドの点検、ドリップクーラーの点検などか挙げられますが、これらの点検はお済みでしょうか?今回はこれらの対策を含めた、分娩舎での夏場の母豚管理について述べたいと思います。

分娩舎の母豚の適正温度は1820℃程度が適切とされていますが、夏場の室内温度はこれ以上になることが多いと思います。環境温度が高いときは母豚にヒートストレスがかかります。

ヒートストレスが母豚に与える影響としては、食下量の減少や、離乳時ボディコンディションの悪化による離乳後発情回帰の遅延、受胎率の低下、それに伴う哺乳子豚の発育不良、そして熱中症による死亡などが挙げられます。さらにヒートストレスを交配時に受けた母豚は産子数が減少する傾向があり、その肉豚が出荷される時期になると出荷頭数の減少にもつながります。

経験上環境温度が26℃以上になると母豚は極端に暑がり、食下量が減少する傾向があるので、環境温度が26℃になる前にファンやクーリングパッドが最大限稼働するように設定しましょう。ヒートストレス対策として、上述したようなドリップクーラーや、スポットクーラーの設置で対応されている農場も多いと思いますが、母豚には10㎝/秒以上の風を全身に当ててあげることが効果的です。特に母豚の頭側に風が流れるように、風の流れを作ると良いでしょう。母豚に風を当てることで、環境温度が下がらなくても、体感温度を下げることができます。

また、母豚に送風する時に風が哺乳子豚に当たらないように注意してください。哺乳子豚に風が強く当たると下痢などの疾病を発症する危険が高まります。そのため哺乳子豚には風を避けることができる構造(例えば保温箱など)を用意しておくと、哺乳子豚を風から守ることができます。

実際の農場では大型ファンで風を流す他、ウィンドレス豚舎であれば入気側の風の向きを調節すると良いでしょう。このように、母豚へのヒートストレスを最小化することによって、1年を通じて安定した生産を維持できるようにしましょう。


()サミットベテリナリーサービス


渡部 佑悟

posted by JASV at 19:06Comment(0)日記

JASVブログ第242回

 こんにちは、あかばね動物クリニックの水上です。

 毎年言っているような気がしますが、今年も暑いですね。国内は空梅雨のようで、夏本番になってからの断水が心配になります。世界を見渡せば、気温が50℃を超えて死人が出ているところがあるようです。怖いもの見たさですが、一度どのような場所か行ってみたいですね。


 酷暑は辛いですが、暑くなければ始まらない!というものもあります。

 まずはビアガーデン。夏限定で開催されるところが多く、屋外でビールが楽しめます。暑い夜、そんな時こそビールを飲んで気分爽快!ただ都会にしかないのが玉に瑕です。

 続いてBBQ。山や河原など自然の中で肉を焼く!それだけで普段食べる肉より何倍もおいしく感じるという素敵なイベント。アメリカでは一家に1種類BBQソースがあるほど、BBQ文化が浸透しています。日本でもBBQの新しい資材が発売されていて、少しずつBBQが認知されてきています。子供たちよりも子供の気持ちを持った大人が楽しんでいるような気がします。

 最後に夏祭り。浴衣や甚平、屋台や花火に祭囃子。祭りの気分というものは替えがたいものですね。ここで養豚場ならではの夏祭りとの関わりをご紹介します。

 夏祭りの風習は場所や規模によって異なると思います。神輿が出る、手筒花火を打ち上げる、盆踊りがある。こちらの地域の村の夏祭りでは「もち投げ」があります。そのもち投げは、ただもちを投げるだけではありません。もちに番号がついていて、その番号の景品がもらえます。その景品の一つが豚肉です。近くの養豚場が協賛となって毎年提供しています。本当の地元で育った豚を食べてもらうというまたとない食育の機会、そして良い意味で養豚場を認知してもらう機会です。

一般の方が養豚場と関わる機会はあまりないと思います。積極的に地域とのつながりを作っていくスタイル、これからも続けていってほしいと思っています。

posted by JASV at 21:38Comment(0)日記

JASVブログ第241回

 JASVブログの読者の皆様こんにちは。イデアス・スワインクリニックの早川です。まだまだ暑さを受け入れられずに、暑い日はぐったりしております。


 さて、去る7月6日に地元千葉県旭市で肉豚共進会が開催されました。参加農場数34軒、出品頭数40頭、協賛団体およそ70団体となかなかに盛況な会となりました。今回の共進会がこれまでの地元の共進会と異なった点が実は2つあります。

ひとつは、これまでは旧干潟地区という市町村合併(平成17年)前の旧旭市の北側に位置していた地区の枠の中で行われていた共進会が、現在の旭市まで範囲を広げた共進会になったことです。このように、市町村合併はしてもその中の養豚団体はなかなか実質的な合併が進まなかったというのがこの10年間でした。が、これからは「旭市」として市内の生産者が一体となって地域防疫に力を入れていく機運が高まっていることもあり、旧干潟地区の養豚組合と旧旭地区の養豚組合が近々合併することになりました。今回の共進会はその動きを象徴するような一面がありました。

もうひとつのこれまでと異なる点は、個人的な話になりますが、私が初めて出品者としての立場と協賛者としての立場で参加した、ということです。残念ながら私は自農場での選豚に参加できませんでしたが、並んでいる枝肉に対して「ウチのはどうかな?」という目線を持って見るのは新鮮でした。協賛者というのは、今年からクリニックとして養豚組合に関わらせていただくことになり、協賛者に入れていただけたためです。どちらの立場も、これまで半分お手伝い、半分お勉強として会社から派遣されていたときよりもぐっと身近になった感じがしました。


さて、共進会と言えば見所は・・・・・枝の切り返しです(私だけでしょうか?)!これまでは人身御供のように若手が駆り出されていましたが、今年は色々な人が現地入りしており、人手には事欠きませんでした。が、わいのわいのと切り返しているのを見ていた小柄な女性が1人、止める間もなくよいしょと枝肉抱っこにチャレンジされたときは衝撃が走りました。案の定お顔の上に枝肉が乗っかってそのまま倒れそうになってしまい、あわてて多数の男性がヘルプに走り寄りましたが、脊椎の走っていない肉塊ほど扱いにくいものはありませんね。私も一度チャレンジして「もう二度とやらない」と思った記憶があります。この女性の勇気には拍手を送りたいです。


 審査・結果発表のあと時間があったので、格付け協会の先生に肉の見方を質問する時間があり、活発な質問が出ました。例えば、内股の「アタリ」は何故出るのか(股開き?とのことでした)、肉色の濃い・淡いはどこで判断するのか、サシの入り具合はどこを見るのか、「水っぽい肉」とはどのような状態か、など。なかなかない機会で、私も大変勉強になりました。今回審査に当たって下さった格付けの先生がこれまたお若く小柄な女性で、業界の女性進出を感じて密かに嬉しくなったりもしていました。


 共進会で一番「いいなあ」と思うのは、他者からの評価が作り手のやり甲斐やモチベーションを明確にしてくれる場であることです。皆さん「優勝は持ち回りみたいなものだ」と冗談を言うものの、いざ順位が付くと真剣そのもの。やれ誰々が今年も持っていった、やれ誰々は2席も持っていった、やれ大貫を出してしまった、などと大いに盛り上がります。農産物の中でも特に食肉は、加工・保存や流通が必須かつ複雑で、生産現場と消費者が離れてしまいがちです。日頃自分の作っているモノに対する評価や「ありがとう」がなかなか伝わって来ないだけに、貴重な機会だと思います。


 さて、気になるウチの豚さんは・・・・9席と14席に入りました。次は私が選豚してみたいです。

 ともあれ主催者、参加者、協賛団体の皆様、本当にお疲れ様でした。
posted by JASV at 10:36Comment(0)日記